2013年、八重洲のFT-817の導入に伴い3.5MHZ帯のQRP運用をしてみよう考えました。7/21MHZのデュアルバンド のダイポールアンテナは設置していますが肝心の3.5MHZ帯のアンテナがありません。3.5MHZ帯のQRPコンタクトは興味がありましたが、なにせ猫の額ほどの敷地広さしかない当家では、エレ メント総長が40mにもなるアンテナは設置できないと思い込んでいました。
無線機の導入に伴い、改めて何とかならないかと再検討したところ、自宅前面に設置しているコン柱から 、敷地の一番奥の両角地に向けて斜めにアンテナを張った場合、約15mまでなら何とか張れるということが判り ました。
ということで、片側のエレメント長が最大で15m以内で3.5MHZに同調するアンテナということで自作したのが、 ここで紹介する3.5/7MHZ傾斜型逆Vアンテナです。
アンテナの概要は、エレメントに電気の屋内配線工事に使用する2mm2芯のVA電線の外皮を裂いで使用して います。また、通常のダイポールアンテナに使用される碍子は、現在は入手が困難になっていますし、見つかって もとんでもなく高値で取引されています。そのようなことから碍子の代わりに塩化ビニール管を輪切りに したもので代用しています。
アンテナの給電部分に波型碍子を使用しませんので、塩ビパイプを輪切りにしたものを波型碍子の代わりに使う 方法も考えましたが、バランや同軸コネクターも取り付ける必要があるため、これらをすべて賄える部材として、 内径50mmの塩化ビニール管用のメクラ蓋を使用しました。具体的にはこのメクラ蓋の両横部分に穴を開けアンテ ナエレメントを取り付け、中に同軸コネクターやバランを収納しました。
アンテナに使用した材料は比較的簡単に入手できました。エナメル線やバランに使用するアミドンのコアーは yahooオークションに出品されています。またVA電線と塩ビパイプとメクラ蓋は、近所のホームセンターでそれ ぞれ購入しました。
片側のエレメント長は、7MHZ用はフルサイズで約11m、この7MHZエレメントの後にローディングコイルを 接続し、更に約2.8mのエレメントを継ぎ足し3.5MHZに共振させています。ローディングコイルのボビンには、 塩化ビニール管のVP25(外径32mm)に1.2mmのエナメル線を78回巻いて作っています。
最終的にエレメント長が片側で約14mに仕上がりました。敷地が狭い当家ではインバーテッドVアンテナを 傾斜させて張っています。そのようなことからインピーダンスが50Ωに収まりませんでした。 インピーダンスのずれはアンテナカプラーで吸収させることとし、とにかく共振周波数が目的の周波数になる ように各エレメント長を調整しました。
今回このアンテナ製作をご紹介するにあたり、過去に撮影していた写真を確認しましたところ、ローディン グコイルに関する写真撮影をし忘れていました。そこで今回アンテナを下ろしカバーの劣化状態の確認を兼ねて 写真撮影をしました。
以上がアンテナに関する概要です。以下それぞれの作業状態を写真撮影していましたのでご覧ください。 なお下記写真の後半部分は、現在まで約6年間使用した後の、ローディングコイルのカバーの劣化状態について 詳細に紹介しています。
アンテナ製作の作業風景
以下各作業風景を順次写真でご紹介します。
このアンテナが完成後3.5MHZと7MHZで実際に運用してみました。V字の開いた方向、つまり図面上の上方向にビームが出ていました。 地図上でいえば熊本方面になります。早速運用してみたところ3.5MHZと7MHZのいづれもFT-817の5Wで熊本市内の局とコンタクトができました。熊本は当地から直線で約100Kmくらいの距離になります。 このコンタクトはコンディションアップによるものではなく、地上波のダイレクト交信です。コンディションアップの場合は、シグナルの強さがアップダウン しますのですぐに判ります。
国内各エリアとのコンタクトではコンディション次第であちこちのエリアの局とコンタクト可能でした。ということで何とか使い物になるアンテナです。なお、現在 は「最近遊んでいるもの」のコーナーでご紹介しましたUSB TVスティックに接続しBC帯のラジオ放送の受信および短波帯受信用のアンテナとして活躍し ています。
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