このリグはハンディー運用をするために作りました。古いメーカー製ハンディトランシーバー(トリオTR−3200)のケース、ボリューム類、スピーカー、メーターなどは流用し、中身の基板類をそっくり入れ替え、21MHZのSSB運用が出来るように作っています。制作当初は、変復調回路に東芝のTA7320を使用していましたが、キャリアサプレッションが約30db程度しか得られなかったため、現在は変復調のICをシグネテックス社製のNE612ANに取り替えて性能アップを図っています。
正面操作パネル配置(ダイアル、各ボリューム関係配置の説明)
上の写真はハンディー機を正面から撮ったものです。下側の左端のつまみは音量調整用のボリューム、その右側のツマミには3PFのバリコンが直結されており、周波数の微調整ができるようにしています。メインの周波数調整は、中心よりやや右にある大きなダイアルで行います。このダイアルには30PFのバリコンが直結されており、このダイアルを回すことにより周波数の可変ができます。可変できる周波数範囲は21.150MHZから21.313MHZの約150KHZで、VXO方式による周波数可変を行っています。
上面基板配置(上面に配置している基板関係の説明)
上の写真は、外部ケースを外しSSBジェネレーター基板側を撮ったものです。SSB機で心臓部にあたるフイルターは、ラダータイプフイルターで、フイルターも自作しています。自作フイルターは、9.216MHZのジャンク水晶を8個使用して組んいます。スピーカーの右上に並んでいる8個の水晶がそのフイルター部分です。
SSBジェネレーター回路
SSBジェネレータ回路の変復調には、前述のようにシグネテックス社のNE612ANを使用しています。このICはキャリアバランス回路を入れなくても十分なキャリアサプレッションが得られます。
このICにはキャリア発振回路が内蔵されており、注入レベル等が自動的に設定されることと、入力可能周波数が500MHZまで使用できるところを、9MHZ台で使用していますので、このへんからキャリアバランスが良いのではないかと思われます。
下面基板配置(下面に配置している基板関係の説明)
上の写真は下面側を撮ったもので、この部分にはトランスバータ部分と終段パワーアンプを配置しています。写真の左上部分がトランスバーター部分、その右側の黒い物体は電池(600mAhカドニカ×10コ)、下の細長い部分が終段パワーアンプ回路です。終段のトランジスターは2SC1957を使用し、最大出力は3Wです。
トランスバーター回路
SSBジェネレーターからの9.216MHZのSSB信号を、目的の21MHZに変換するのがこのトランスバーター回路です。ミキサーにはダイオード1N60を4個使用したダイオードミキサー回路を使用しています。
送受信アンプ部分にはそれぞれ2SK241を使用しています。また局発回路では10.18MHZのジャンク水晶をVXO発振し、3逓倍出力を局発として使用しています。
終段パワーアンプ回路
終段パワーアンプ部分は、制作当初は2SC2166を使用したワイドタイプアンプで作っていました。この回路はホイップアンテナ使用時に時々セルフを起こしたり動作が不安定でした。そこで、現在は動作が安定しているNO5号機と同じ回路に作り替えて使用しています。
各回路基板の結線について
このNO3号機は局発回路にVXO回路を使用したため、回路的には非常に簡単になっています。SSBジェネレーター基板、トランスバーター基板、終段パワーアンプ基板、このたった3つの回路基板で構成されています。
3つの回路基板の結線方法は下記の総合結線図の通りです。
運用してみての感想