調整用小物のコーナー

(最終更新 1998.04.01)

簡易高周波プローブ


 無線機を扱っていますと、コイルやトリマ部分などを調整して、その出力の最大点を探す場合が多々あります。およそ高周波と名の付く部分の、大まかなレベルが知りたい場合に便利な小道具が、この簡易高周波プローブです。

 正確な電圧(絶対値)を読みとることは出来ませんが、入力に応じて出力が変化しますので、その最大や最小が判別できます。

 私の場合は、テスターが比較的高感度(フルスケール60μA)ですので、プローブの出力にこのテスターを接続して使用しています。一般的にはラジケータ(カセットテープやラジオに付いているチューニングメーター)など、ジャンクのメータを接続して使用している場合が多いようです。

 使用するメーターは、できるだけ高感度の物を探して使用すると、小さいレベルの信号でもメーターが振れますので、使い勝手が良くなります。

 回路図の※印の入力結合コンデンサー容量は、できるだけ小さい容量の物の方が、回路に悪影響を与えません。しかしあまり小さくすると出力されるレベルが下がるため、メーターの感度が悪い物を使用すると、メータが振れず使いづらくなります。メーターに高感度(100μA位)のものを使用し、結合コンデンサーを10PF位にできるとベストです。

 非常に簡単な回路ですので、わたしは下の右端の写真のように、蛇の目基板に部品を取り付け、回路全体を写真のフイルムケースに入れて使用しています。


RFプローブ外観 jpg 4kb ケース外観 jpg 3kb 内部検出部 jpg 4kb




AF(CR)オシレター


 SSB送信機を調整する場合、変調がかかった時だけ出力が出ますので、口笛音などの音声入力が必要になります。

 調整が短時間で完了する場合は、口笛を吹き続けることもできますが、ほとんどの場合、口笛を吹きすぎて最後に頭がクラクラするという、マンガのような結果になります。それに連続的に同じレベルの口笛を吹き続けることは意外と難しいことです。

 このような時に、マイク入力に接続し使用するのがこのAFオシーレターです。この回路の時定数で約1000HZくらいのAF信号が出力されます。

 具体的使用方法は、このAFオシーレターの出力を、SSBジェネレーターのマイク入力に接続することにより、連続的に変調がかかり高周波出力が出てきます。この高周波出力を前項の高周波プローブで読みとり、送信系の各コイルを調整するという手法になります。

 この回路も比較的簡単ですので、わたしはこれも蛇の目基板を使用し組み立てています。簡単な回路の割には比較的きれいなサインカーブ出力が得られます。下の右端の写真は、このAFオシーレターの出力をシンクロスコープで見たものです。

AFオシレター外観 jpg 3kb 発振回路拡大 jpg 5kb 出力波形 jpg 9kb




2トーンジェネレーター


 2トーンジェネレーターはSSB送信機調整時に、あれば鬼に金棒の測定器です。もちろんこれには波形を観測するための、シンクロスコープが同時に必要です。

 SSB送信機の2トーン出力波形を見ると、その送信機がうまく出来上がっているかの評価ができます。例えば終段パワー回路の直線性(アイドリング電流の適否など)などは、この波形を見ることで判断できます。

 送信系統で少しでもまずい箇所があれば、最終出力段の波形を見ると、見事に波形が歪んで出てきます。 そのようなことから、きれいな2トーン波形が得られるようにするためには、まずSSBジェネレーターの出力波形からチェックを始め、終段のパワーアンプまでの各回路を確実にチェックしながら製作する必要があります。

 この2トーンジェネレーターの回路は、丹羽OM(JA1AYO)が、雑誌「ハムのトランジスター活用」の中で発表されていたもので作っています。

 回路図やパターン図は版権の問題がありそうですので、ここではこういうものも作っていますという紹介のみにとどめます。回路的に興味のある方や、作ってみようと思われる方は、前述の雑誌をご覧下さい。

 尚、下の右端の写真は、この2トーンジェネレーターを使用して、私のNO5号機を測定したもので、出力コネクター(最終段出力)での2トーン波形です。

2toneジェネレーター外観 jpg 4kb 内部写真 jpg 6kb 5号機の2トーン出力波形 jPG 8kb



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